「記念講演会」の円成
斯界の権威になりつつある、佛教大学教授:松田和信先生をお招きしての講演会は盛況うちに終わりました。
一般の方にも分かるよう、経典が成立するまでの過程、その過程での仏説の変化を実際の貝多羅葉(貝葉)をみながら説明下さり、またその作業を通して実在のブッダの教えを模索する学会の現状に触れながら、ブッダの教えがどういうものだったのかをお示し下さいました。
話が進むうちに、アフガニスタン出土のクシャーン、グプタ、カローシュティなどの文字で書かれた経典の出現、その研究に携わるうちに巻き込まれたさまざまな事件をお話し下さり、まるで『死海文書』出現時に発見者たちのたどった変遷を見るような物語が、参加者の耳目を引きつけます。そうして現在の中央アジアの情勢の一端に触れます。
インドにおける文字の発生と利用の変遷にも話が及び、堂頭もちょっと気がつかなかったお話を聞かせていただきました。
最後は現在原始経典と総称されるパーリ経典と、新しく出現したインド系の古写本の対比によりそれらの経典の相違と、上述の経典創作過程の実例をありのままに見せていただき、また既存の邦訳の問題点などを指摘していただきました。このあたりになると、聴講にいらしていた近隣の住職様方も、ファームの書き換えモードに入っておりました。
質疑応答では、突拍子もない質問が炸裂していましたが、講師先生は笑顔で即答下さっていました。
提出していただいたアンケートには、「難しい内容のお話しだった事も理解でき、それが頭の中に入った」と驚きの声、貴重なお話を聞けた喜びの声を書きとどめて下さっています。
こうして始まる、聴講者がたの新しい知的刺激をいかに持続させるか、主催者としては新しい悩みが始まるのでした。
松田先生にはご多忙にもかかわらず遠い道のりをおこし下さり、本当にありがとうございました。参禅会の方々も、陰に陽にご協力賜り、厚く御礼申し上げます。
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